一ヵ月後 ―――

年が明け、また新しい一年が始まる。


龍斗とキスして迎えた新しい年。

あれからもう5年が経つ。


あのときは5年後がこうなっていようとは考えるはずもない。

ただ目の前にある幸せに浸っていた。

優しく包み込んでくれる眼差し…龍斗の温かさを信じていた。



だけどあれから5年後の私は龍斗を諦め、壱春のことを信じようと決めていた。

壱春の傍にずっと居れるようにと…


この新しい一年がいい年になるようにと…期待を願う。



しかし、この先に待つ現実は私にとってあまりにも辛いものだった。

もうすぐ明かされる受け止められない現実がすぐ傍まで迫っていたんだ。