狭い部屋に多くの人。
タバコとお酒の臭い…
少し気分が悪くなり、席を立った。
「大丈夫?私も一緒に行こうか?」
莢香が心配してくれたが、一人で外の空気を吸いたかった私は笑顔で答えた。
「ううん。大丈夫…」
一人部屋を出ると、外に置いてあったベンチに座り気持ちを落ち着かせていた。
そして色々と考えた。
誰とでも気軽に話せる歩美と絵里。
明るくて優しい秀。
気が利く莢香。
莢香と龍斗…
10月の終わり、夜は少しずつ冷たい風が吹き始めていた。
「…大丈夫?」
そこにやってきたのは秀だった。
秀の姿を見てニコッと微笑む。
「うん、大丈夫!」
すると秀はそのまま隣に腰掛けると、一緒に話をしてくれた。
その優しさが嬉しかった。

