Dear HERO[実話]



壱春の隣で見る花火は大きくて鮮やかで、ドーンという強い音は私の心を叩くように深く響いてきた。

まるで壱春の存在を心に刻むかのように…



一万発という花火もあっという間…。

夜空に静けさが戻る。


車に乗り花火の余韻に浸っていると、壱春は真剣な目を向けて問いかけてきた。




「何で?何で俺なの?」



「……え?」



突然の問いかけに、壱春が何を聞こうとしているのか分からない。



「何で俺と付き合ってくれてるの?」



私の心を見ようとする鋭い瞳。


答えは一つ。

理由なんて一つしかない。




「好きだからだよ」


そう微笑みながら、脳裏に浮かぶのは前にも一度聞いた同じ言葉。




「何で俺なの?他にいい奴たくさんいるじゃん」


不思議だと心で叫ぶ龍斗の言葉。



他にいい奴…

そう言われて突き放されたような気がした。

でも自分を求めてほしいと言われているような気もしたんだ。


まさか壱春からも同じ言葉を聞くなんてね。