季節は夏 ―――
照りつける強い陽射しは眩しくてジリジリと痛い。
うるさいほどに耳に響くセミの声。
でもその声は夏の訪れを実感させてくれる。
こんな晴れた日の夜空に上がる花火は、最高にキラキラと輝くはず…。
今日は壱春と二人で花火を見に行く。
ルリも彼氏と一緒に行くと言うので、二人で浴衣を着ていくことにした。
ルリのお母さんに浴衣を着せてもらって準備する。
ルリは紺色の浴衣。
私は黄色の浴衣。
「4人で見る?それとも別々に行く?」
一週間前、同じ日に同じ場所へ花火を見に行くことに話が盛り上がりルリに誘われた。
4人で見る花火もきっととても綺麗だったはず。
でも私は壱春と二人で見たかった。
彼氏と二人で、夏の夜空を彩る大きな花をこの目に焼き付けたい。

