龍斗は私に彼氏ができたことを知らない。
だから誘ってくれる。
…きっともうすぐ会える。
ずっと待ち望んでいた日がくる。
私に迷いはなかった。
= 送信 =
To:龍斗
From:凛
【ごめん、私が会えなくなった】
壱春を裏切れない。
「これから凛の隣に居るのは俺だから信じてよ」
そう…今私の隣にいるのは壱春なんだ。
あえて「彼氏」という2文字は入れずに送った。
龍斗はすぐに理解すると分かっていたから。
= 受信 =
To:凛
From:龍斗
【そっか、しょうがないよね。俺待たせすぎたもんね】
どこか寂しそうな龍斗のメール。
それでも会おうとは言わない。
わかってる。
わかってるからこそ送った。
「サヨナラ…」
そう心の中で呟きながら…。

