Dear HERO[実話]



 ~♪~♪~♪


ある日、携帯が鳴った。

奏でるメロディに視線を向けると、そこにはメールを知らせる見覚えのある紫の光。


特別その色に設定していたことすら忘れていた。


ドキン…と胸が鳴る。

だってその光は一人にしか設定していない。



壱春と付き合って一ヶ月。


またいつか連絡が来るだろうと頭の片隅に期待を置きながらも、まさかこんなにも早くくるとは思っていなかった。


すぐに開くことができず、ベッドに置かれた携帯をじっと見つめる。



そんな私を急かすように、紫の光は何度も何度も点滅した。


携帯を手に取り、そっと画面を開く。


 ≪新着メール1件≫


ボタンを押すと表示されたのは、いつしか遠くなってしまった人の名前。




……龍ちゃん…



心でつぶやきながらメールを開く。