つい数分前まで大勢で騒がしかった部屋に、いつのまにか秀と二人きりになってしまった。
二人きりになると緊張して話せなくなってしまう。
そんな女の子は大勢いると思う。
私もその一人だ。
しかし二人きりのときのほうが、自分を出して話すことができた。
他に誰もいないとなると、必然的に話にかたることになる。
秀と二人で学校のことや、将来のこと…いろんなことを話した。
二人だけでも会話が途切れることはなく、むしろ盛り上がっていたように思える。
みんながいるときはほとんど喋らない私が、次々と喋りだすので秀は驚いていた。
私にとっては二人で話すほうが話しやすい。
周りを気にせず話せるから…。
だから龍斗とも少人数で会いたかった。
きっと少なくとも今よりは龍斗と話せていたはず。
自分が話すときどう思われているのだろう…人が多いところで話すときいつもそんなことばかり気にしていたんだ。

