龍斗へ最後にメールを送った日から、一年数ヶ月が経つ。
龍斗のことを忘れようとしていた。
あの日に戻れることはもうない…
それでも私の心の片隅にはいつも龍斗の存在があった。
世の中にこれほどたくさんの人がいるのに、龍斗と離れてから心惹かれる人に出会うのは簡単なことではなかった。
何度忘れようとしただろう…
あれから2年以上が経つ。
今、龍斗はどうしているのだろう。
龍斗自身変わってしまったのだろうか…。
私は前に比べると強くなった。
ちょっとのことでは泣かなくなった。
ただそれが、半分は強がりだということは私が一番よく分かっている。
強がることはできても、本当に強くなることはそう簡単なことではないんだ。
龍斗のアドレスは変わっている可能性が高い。
それでも自分の中でけじめをつけるため、携帯を手にした。
私が知る龍斗のアドレスへメールを送る。
心臓の鼓動が自然と早くなる。
ドク…ドク…
思わず目を閉じた。

