Dear HERO[実話]



=受信=
 To:凛
From:奏汰

【凛、俺のこと信じて】




・・・シンジテ?


嘘をついていながら、平然と信じてと言う奏汰の心がわからなかった。



「信じられるわけないでしょ!」

私は涙をボロボロとこぼしながら叫んでいた。




=送信=
 To:奏汰
From:凛

【もう連絡するつもりないから…】



それだけ送ると、奏汰からその後どれだけメールがきても無視し続けた。


奏汰の言葉が何一つ信じられなくなっていた。

どの言葉を何を信じればいいのか・・・



そしてまた私の心の中に龍斗が現れる。


どうしてあんなにも龍斗のことを愛せたのか…

それは・・・


龍斗自身が強い心の持ち主だったからだ。

優しさと強さを持った人間だったからだ。


そんな相手だったからこそ自分も強くなりたいと、龍斗を守れるほどの優しさを持ちたいと願えた。


だけどその想いを奏汰には持つことができなかった。