Dear HERO[実話]



=受信=
 To:凛
From:奏汰

【凛…離れていかないで。俺は凛がいないと生きていけない…】



奏汰の言葉に怒りと悔しさで胸が熱くなるのを感じた。


いつもそうだった。

私が離れていこうとすると奏汰は自分に目を向けさせるために弱い人間になった。



別れ話を持ち出せば…



「凛、苦しい」

「凛がいないと駄目だ」

「凛、愛してる」


奏汰のそんな言葉たちは私の心を粉々に踏み潰していた。



=送信=
 To:奏汰
From:凛

【…もうやめてよ。それが苦しいんだよ。辛いんだよ。私は奏汰の傍に居ることはできない…】



もう奏汰を思いやる心も薄れていった。


=受信=
 To:凛
From:奏汰

【ごめん凛…】



もう嫌…


本当に病気なの?

それも私を離れさせないための嘘なんじゃないの?


奏汰の言葉、一つ一つが信じられなくなっていた。


そんな私に奏汰は決まりきった台詞のように言う。