Dear HERO[実話]



「はっきり言って関係ないけど、凛と亡くなった女の子…顔とかは似てないけど性格とかそっくりだったんだ。だから凛に会わせてくれた神様に感謝してる」




奏汰はずっと私とその娘を重ね合わせて見てたの?


私は…


彼女の生まれ代わりじゃない!

奏汰がどれだけ重ね合わせても私はその娘じゃないよ…。




「凛、俺この話もしたっけ?俺が自殺未遂した話…」



「知り合ってすぐ聞いたよ」



だんだんと奏汰に対して冷たくなっている自分が実感できた。




「そうだったね。凛に出会ってプラスになる事ばかりだったし、幸せだったよ。でも正直、凛に好かれてる人が羨ましい…」




「………」



奏汰の言葉が胸に深く刺さる。




「実は凛に会いたい理由がもう一つあるんだ。両親にも話してないし、凛が引くかもしれないからこれは言わないつもりだった…」




「…何なの?」




話が少しずつ奏汰のペースに流されていた。

言いづらそうに、奏汰はゆっくりと話始める。