「俺もさ、3ヶ月前に彼女と別れたんだ。でも別れてよかったと思ってるよ」



「どうして?」



「彼女ワガママで金使い荒くてさ…いつも俺に金貸せってきてたんだよ。一緒に居てもほとんど会話もないし…」



「…それって彼女なの?」



「そう、いちをね。しまいには俺が貸した金、違う男に貢いでてさ。だからいい加減俺も嫌になって別れた」





すごいな…。


彼女の行動にというより、それでも彼女なんだって言えることに驚いていた。


今、私と話しているこの相手は…
2つ年上の奏汰(ソウタ)


龍斗との一件以来、落ち込む私の話を聞いてくれていた。


奏汰自身も彼女のことで苦しんでいたせいだろう。

私に対して優しかった。

傷付けないようにしてくれていた。


そんな優しさに少しずつ奏汰に今までの辛かった出来事を話し始めたんだ。


聞いてもらえるだけでぽっかり開いた心の穴が少し埋まるような気がしたから…。


そして、同じように奏汰の過去も聞くことになる。