Dear HERO[実話]


太陽の陽射しが眩しい8月の初め ―――

龍斗と会う約束をした。


私が社会人になって、前にも増して二人の会う時間は減っていった…。

しかし、この日私の仕事は休み。


龍斗も仕事が早く終わると言い、ゆっくり食事でもしようということになっていた。

せっかくの休みも龍斗に会うときのことばかり考え、何も手につかない。


龍斗と話す一言や冗談が…

龍斗と話す一分、一秒が…


私の心を満たす何ものにも変えられないものだということは、自分自身が一番感じていた。


今日はいつもより長く龍斗と一緒に居られる。

そう思うだけで自然と顔が綻んでくるのだった。



 ~♪~♪~♪


そんな私の携帯に届く龍斗からの着信。


龍ちゃん?

仕事もう終わったのかな…


そう思い時計を見ると時計の針は15時を指していた。


15時…?

いくらなんでも早すぎるよね。


そんなことを考えながら電話に出た。