…何で?

お母さんは龍ちゃんの何を知ってるの?


何も知らないくせに!


なのにどうしてそんな言われ方されなきゃいけないの?





「とにかく今日はもう家から出さないからね!」



バタンと閉められたドアに、私は近くにあった枕を思い切り投げつけた。

ドアの前に落ちた枕を見ながら、悔しくて悔しくて涙がこぼれる。



 ~♪~♪~♪


そんなとき私の心を察してか、部屋中に携帯の着信音が響きだした。

画面に表示される龍斗の名前。



「ごめん、今仕事終わったよ。これから会える?…凛?どうした?」



電話越しに聞こえるすすり泣く声に、龍斗は驚いていた。

無理もない…


会おうと思って連絡したら、電話の向こうで泣いているのだから。


待っていた連絡がきて嬉しいはずなのに、今日龍斗とは会えない。

悔しくて悲しくて涙があふれ、龍斗にそのことを伝えた。




「そっか…でも仕方ないよな。俺が時間守らなかったんだから…。ていうか凛そんなことで泣くなよ!また今度会えばいいじゃん!」




「……うん」



すすり泣く私に対して明るく話す龍斗。