「…莢香?」
「…あぁ……」
龍斗は私が莢香のことをあまり良く思っていないことを感じていた。
しかしここで嘘をついても何もならないこともわかっていたのだと思う。
「ふーん…」
莢香が私とあの約束をした後も、こんなふうに龍斗に電話をかけていたと思うと怒りが込み上げてきた。
でもそんな姿を龍斗には見せたくない。
気にしていない素振りを見せるだけで精一杯だった。
「あいつ何で凛といるときにかけてくるかな…」
龍斗もタイミングの悪さに、場の雰囲気が悪くなったことを感じていた。
だけど、いつまでも莢香のことで龍斗との時間を無駄にしたくない。
「これ、沖縄のお土産…」
バッグから取り出し、ストラップを渡した。
袋から取り出すと裏には【Ryuto】と名前が入れてある。
「おそろい♪」
そう言って私も同じストラップを取り出した。
裏には【Rin】と入っている。
「おっマジでお揃いだ。でもそっちでもよかったな~」
龍斗は私の持つ【Rin】と彫られたほうのストラップを見て言った。
「えっ…?」

