短大卒業を目前に控え、私はルリや数人の友達と卒業旅行に行くことになった。
行き先は沖縄。
莢香との仲が出会ったときのままだったら、卒業旅行も一緒に行っていたのかもしれない。
だけど、莢香は歩美たちと東京に行っていた。
全く逆方向に行く私と莢香。
それはまるで二人の仲を表しているようで…ちょっと寂しかった。
3泊4日の沖縄 ―――
青い海に青い空。
まだ3月だというのに春を通り越して夏を感じさせる土地は心地いいものだった。
私はルリと行動し、国際通りを歩く。
「凛は龍斗さんにお土産買わないの?」
家族のお土産にとお菓子の袋をたくさん下げたルリは、同じような袋を下げて歩く私を見る。
「えっ…あ…うん…。買っていきたいけど何にするかは決めてないんだ」
「私も…彼氏にお土産買いたいんだけどな…」
二人は通り沿いに並ぶ店に入り、食べ物や雑貨を見て回った。
パイナップルやゴーヤのお菓子にシーサーの置物…
沖縄で有名なお酒、泡盛…。
でも中々これだ!というものが見つからない。

