約束の日 ―――


その日龍斗は仕事が中々終わらず、約束の時間はだいぶ過ぎていた。


「別の日にしようか?」


気を遣って龍斗はそう言ったけど、どうしてもこの日会って話したかった。

自分の想いを伝えると決めた心をそう簡単に次に回すことなんてできない…。



親に怪しまれながらも、コンビニに行くと伝え家を出た。

近くのコンビニに車を停め、龍斗が来るのを待つ。


その間私の心臓は緊張しっぱなしで…

早く来て欲しいと思う反面、まだ来ないでほしいと思う自分も居て矛盾する心を落ち着かせていた。


自分の想いをちゃんと伝えなきゃ…



そして10分後、龍斗の車が横に停まった。


私を見て、自分の車のほうに乗るように手招きする龍斗。

その手に促され自分の車を降り、隣に停まる龍斗の車に乗った。




「…久しぶり。仕事……忙しいみたいだね…」



いきなり本題に入ることはできず、違う話題をすることで自分の気持ちを落ち着かせた。