樹とは毎週会うようになっていた。
相変わらず二人で会えることは少なかったけど…
樹と二人きりで会いたい。
その気持ちはいつもあった。
でもそれ以上に友達を大事にする樹の姿も分かっていたし、たくさんの人から信頼されている樹の姿を見るのは心地いいものでもあった。
だから無邪気な笑顔を見れるだけでいいと思ったんだ。
樹と付き合い始めて5ヶ月…
夏の大イベントである夏祭りに出かけた。
もちろん二人きりではなかったけど。
浴衣を着ていくと樹は嬉しそうにニコニコ笑っていた。
樹の隣に並んで出店の前を歩く。
客を呼び込む声。
甘い香りや香ばしい香りがする…
活気溢れるお祭りの雰囲気に私はワクワクしていた。

