そんなある日、樹の友達の一人からライブに招待された。
ライブハウスに行くこと自体初めてだった私は、緊張しながらもその日がくるのを心待ちにしていた。
食事をしながらバンドの演奏を聴く…
その雰囲気はとても新鮮なものだった。
そして時間はあと30分で10時になろうとしている。
今日両親は家に居ないから私ひとり…。
だけど10時過ぎて携帯ではなく、家のほうに電話がかかってきたら何も言い訳できない。
仕方なく樹に家まで送ってもらうことにした。
「じゃあ俺、凛を送ってきます」
樹はまだバンドの演奏に耳を傾ける仲間に声をかけると、私を連れて店を出た。
本当はもっとライブハウスの躍動感を感じていたかったんだけど…
10時なんてあっという間にやってくるよ。

