「俺と付き合って…?」



私の顔を見つめる樹の表情はとても優しくて、包み込まれるような感じがした。


見つめあいながら五秒程の沈黙…

二人の間を桜の花びらが通り抜ける。



一年前と同じように私の傍には桜の木があるのに、あのときの桜とは違う。


幻想的な桜は風に乗って春の恋を連れてきた…


ブルーの桜はこれから私の中で淡いピンクへと変わっていくだろう。



私は樹の言葉に静かに頷いた。


顔を上げると樹の後ろで舞う桜が目に写る。

それはまるで二人を祝福した花吹雪のようだった。



そんな私を樹は抱き寄せ、軽くキスをした。


ここから新しい恋が始まる…