Dear HERO[実話]



満開の桜がとても綺麗で、花びらを散らす風は春を告げる温かいものだった。


でも…そんな春の日は私に傷だけを残していったんだ。

淡いピンク色の桜も真っ黒になったような気がした。



ゆっくりとあの日の出来事を辿る。


お酒を飲まされ男の家に上がったこと。

無理矢理乱暴されたこと。

男の人との経験がない私にとってそれが初めての経験だったこと。



いつしか目からは涙がこぼれていた。

ボロボロと落ちてくる。


そして龍斗の顔を見れずにいた。



軽蔑される…そう思ったから。



話を聞いて龍斗は何も言わない。


それがとても不安で不安で…話したことを後悔した。



できることならこの場から消えてしまいたい…。



長い沈黙が続く……