「は…?」

なにいってんのこいつ。
部屋と、あたし!?
どういうことなの?わけわかんない。
やっぱ不審者!?変質者!?新手の泥棒!?

イケメンはあたしに近づいて、壁に手をつく。
あたしはといえばできるだけ距離を取りたくて、壁に背中をぴったりとくっつける。


なにこの状況!?
郁未くんは本当にあたしごとこの部屋を貸したの…?
郁未くんにとって、あたしは簡単に貸せちゃうような存在だったの…?


「今日からあんたは俺の。」

悪戯に笑って顔を近づけるイケメン。
キスされる…そう思って目を強く閉じた。

「ふぐっ?!」

その時…鼻をつままれた。
驚いて目を開くと、にやにや笑うイケメンがいた。

「冗談だよ。」
「…………へ…?」

「確かに部屋は借りたけどあんたは借りてない。」

あたしから離れてソファに戻るイケメン。
…あたしからかわれてたってこと…!?

「っつーわけで、ここは今日から俺“達”の家な。」

“達”を強調してにやりと笑ったイケメン。

心底腹立たしい奴…。
顔はよくても腹の中は真っ黒だな…!