「警察?………あんた郁未からなんも聞いてないの?」

画面を見ながらそう言うと、携帯をあたしに返したイケメン。

「聞いてない……てか誰よ、あんた。」

あたしの質問を無視して、洗濯機の上に置いてある着替えに手を伸ばすイケメン。あたしは咄嗟に洗面所から出て扉を閉めた。

あのまま着替える気だったのあいつ?!
ありえないって!

っていうかほんとにだれ?!
郁未くんからって…電話しても出ないのにどうやって話聞けっていうのよ!?


あたしはベッドの隅に体育座りをして考えた。

郁未くんの知り合い…?
その可能性はある、だって郁未くんの名前も、あたしの名前も知ってたし…。
だからって不審者じゃないわけじゃないしやっぱ警察に通報する…?
いやでもなんていえばいいの?
家に帰ってきたら知らない男がお風呂に入ってました~って?!
ありえない。

どうすればいいの~!?


その時。
お風呂場からさっきのイケメンが出てきた。

なんで上は着てないわけ!?
デリカシーってもんがないのこいつには。

ああもうやだ本当…。
なんで帰ってこないの、郁未くん…。