レゾンデートル

「さて、長話になったし、そろそろ帰ろうか」


椅子から立ち上がりつつ言う泉士さんに、気持ちがモヤモヤと溜まる。
なぜ、そんなに無理やり笑顔を作るのだろうか。

なんだか、このままじゃ、


「今度会ったらイズミって叫ばないでよねー」


会計を済ませ店を出ると、泉士さんは笑ってそう言った。

「それじゃあ、」別れの合図だ。
作り笑いで軽く手を振ろうとする泉士さんに、沈殿していたモヤモヤが溢れ出す。


なぜだろう、嫌気が差したのだろうか。
そうじゃなくて、これは、たぶん、



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