イズミちゃん、もとい泉士さんは、まだ頬をほんのり赤く染めながら「まあ、」と続ける。


「とにかく、私は引退したし、鳳くんも私のことは忘れてよ!」

「は?」


あっけらかんと言う泉士さんに、思考が停止した。
さも当然のように泉士さんは笑うが、俺には全く意味が理解できない。


「な、なんでですか!?」

「なんでって…16にもなって、あんなロリロリブリブリな服着てらんないし…恥ずかしい…」


至極苦渋の表情を浮かべながら、「思い出すのも恥ずかしいのよ」と泉士さんは続けた。

なんと言うことだろう。
俺はヒラヒラキラキラしたイズミちゃんが大好きだったのに、当の本人は嫌々だったなんて。



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