「妃紗はやっぱり優しいんだな。俺が何で今日来たかとか、何で元気ないとか、だいたいわかるんだろ?」


そう言った丹後くんの口調はやっぱり切なげで。

あたしがどうにかしなきゃ、と咄嗟に思った。

「妃紗優しくなんかないよ。友達が悩んでたら相談乗るのが普通でしょ?」

ごまかすようにそう、笑って言った。

あたし、優しくなんかないよ。

あたし、ホント何もできないんだよ。


友達でもいい。好きが届かないなら。

それでもいいと、はっきり思った。

でも、やっぱり好きでいたいんだ。

矛盾してるな、あたし。



「まあな。でも俺今ので元気出たわ。妃紗が心配してくれて嬉しかった。ありがとな」


ありがとうなんて言葉はいらないから、ただ好きと言って・・・・・・。

そんなあたしの想いなんて届くはずもなく・・・・・・。

「ううん。妃紗は何もしてないでしょ!何があったか知らないけど・・・・・・都ちゃんとは、仲良くね!!」