“たち”。
そこには丹後くんも含まれてるんだろう。
「子供が……いたの。あの時」
子供?
あたしは訳がわからなくて、きょとんとする。
「都、丹後くんとの間に子供ができたから学校を辞めたの。そのこと丹後くんが知ったらさ、俺も一緒に育てるって言ってくれて。都、妃紗には悪いけどあの時嬉しかった」
そんなことがあったなんて……。
だから丹後くんは都ちゃんに会ってたの?
だから丹後くんはあたしと別れたの?
「今も一緒に育ててるんだ。大変だけど、毎日充実してる。このこと黙っててもよかったんだけどね、やっぱり妃紗には知っててほしかったの」
そっか……。
2人が幸せなら、よかった。
あたしは今、素直に2人のことをお祝いできるよ。
「そっか、お幸せに。今度子供にも会わせてね?」
あたしがそう言うと、都ちゃんは黙って微笑んだ。
これから、あたしも都ちゃんも大変なことってあると思う。
だけど、それを乗り越える強さがあたし達にはあるはず。
だからどんな時も前を向いて歩いて行きたい。
公園の桜が、あたしたちの背中を押すように咲き誇っていた。
end

