「おー。バカだバカだ。つか妃紗ん家ってどこ?」
今は知ってる道はあたしの家の方向なんだけど・・・・・・。
「あそこの公園まででいいよ」
あたしは少し先に見える公園を指差す。
「りょーかい」
でも、あそこでお別れしたくないな。
もっと・・・・・・一緒にいたい。
そんなわがまま、ダメかな?
「おら。着いたぞ」
そんなこと思ってても、自転車なんてすぐ着いちゃうから。
もう、妃紗の家に1番近い公園まで来てしまった。
「うん。ありがと」
そう言ってゆっくり自転車から降りる。
あと少しだけ・・・・・・もう少しだけでいいから。
一緒にいたい・・・・・・。
「妃紗ってさ・・・・・・」
そんなことを思ってたらいきなり丹後くんが真剣な顔をして話しかけてきた。
「ん?なに?」
そんな顔にもドキドキしちゃって・・・・・・。
「好きな奴、いんの?」
ドキッ・・・・・・!
好きな奴・・・・・・。
あたしの好きな人は丹後くんだよ。
もちろん言えないけど。

