あたし、馬鹿だから勘違いしそうになる。 そんなわけないのに。 丹後くんがあたしを……妃紗のことを好きだって。 「……っ丹後くん!」 その視線から逃れたくて、名前を呼ぶ。 でも何か言いたいわけじゃない。 あ……そういえばあたし、マフラー返してないっけ。 「んだよ?」 丹後くんがちょっと不満そうに言う。 何で不機嫌なんだろう……。 「あの……マフラー返すから離れて?」