恋花火 ～恋は甘く切ない～

そんなあたしを心配そうにのぞき込む丹後くん。


ほんとに、優しい。だからあたしは一生丹後くんから離れられないよ。


｢な、泣いてない！｣


こぼれ落ちそうになった涙をこらえて、にっと笑いかける。


｢そうか？｣


何か、今日丹後くんがいつもよりも優しい気がするよ。


いつもは意地悪なことばっか言うのに。


久しぶりに会えて、しゃべれて、その上優しくされるなんて。


どんどん“好き”が積もっていく。


｢うん。じゃあ、妃紗行くから。マフラーありがとね｣