「うん、わかってるって。いってらっしゃい」
「あぁ。行ってくる」
そう言うと丹後くんは屋台の方へと歩いて行った。
1人になっちゃったなー。
自分で丹後くんを見送ったけど、何か寂しい。
早く帰ってこないかなぁ。
ーーー……
丹後くん、遅いなぁ。
あれから30分くらいたつのに、まだ帰ってこない。
屋台、混んでるのかな。
スマホに連絡してみたけど、この人ごみじゃあ着信音に気づかないみたいで、繋がらなかった。
「ねぇ、お姉さんひとり?」
あー、早く帰って来てよ!
妃紗、1人は寂しいよ。
「え、お姉さん無視?」
ていうか、うるさい!
わざわざ無視してたのにしつこいってば。
「妃紗、ナンパ男になんか興味ないから。それに彼氏待ってんの」
声を掛けてきた男をキッと睨んで言った。
こういう奴にははっきり言ってやらないとね。
「ナンパ男って……。俺声掛けただけなのにー。じゃあ彼氏が来るまで俺と話してよーぜ?」
声掛けただけって……世間一般ではそれをナンパというのでは?
そう思ったけど、あんまり突っ込むと面倒なことになりそうだから黙っておいた。

