恋花火 ~恋は甘く切ない~



……納得が行かなかった。


だけど、丹後くんの声色は“もうこれ以上聞いてくんな”って言っているようで。


そんな丹後くんにあたしはこれ以上聞くことなんてできなかった。


「わかった」


静かに、あたしはそう言うと自分のお弁当箱を片付け始めた。


「なぁ、妃紗。今日一緒に帰らねー?」


丹後くんはさっきとは違った、優しい声で言った。


「え、帰る帰る!!わー、楽しみだなぁ」


久々に丹後くんと放課後一緒にいられるんだ。


そう思うとあたしは自然とワクワクし始めた。