あたしはそのまま荷物をまとめて教室から出ようとした。 でもできなかった。 ……丹後くんが、妃紗の腕を掴んでいたから。 何でそんなことをするのかはわからない。 何で妃紗を引き止めるのかはわからない。 だけど、丹後くんはあたしの腕を力強く掴んでいて、逃れられなかった。 それはまるで、“行くな”って言われているようだった。