恋花火 ~恋は甘く切ない~




言っちゃった。


好きって言っちゃったよ……。


丹後くんの反応が怖くてあたしは俯いた。


だけど、丹後くんは何も言わない。


え、まさか聞こえてない?


たしかに、あたしの声はそんなに大きな声じゃなかった。


でも、このふたりきりの静かな空間には十分すぎるボリュームだったと思う。


それとも……聞こえないフリをしてるとか……?


あたしは今俯いているから丹後くんがどんな表情をしているのかはわからない。


だから、怖かったけどあたしはゆっくりと顔を上げた。