でも、あたしはチャンスだと思った。


だって、丹後くんとふたりきりなんて。


これは、もう今……言うしかないよね?


「妃紗、俺なんかした?」


丹後くんはあたしの座っている席の前の席に座って、あたしをまっすぐに見つめて言った。


丹後くんは気づいてる。


あたしが、丹後くんを避けていたことを


あたしが、ふたりきりになるのを控えていたことを。