「丹後くんに好きな人がいるって……」 あたしって、ほんと丹後くんのこと何も知らないんだな。 好きな人がいるなんて全然気づかなかった。 知らなかった……。 「あっ、えーと、それは……あの、ね?」 都ちゃんが急にテンパったように言う。 どうしたんだろう? 「あのね、妃紗? 丹後くんの好きな人っていうのはね……」 都ちゃんが焦ったように言う。 だけど、その言葉は最後まで聞くことはなかった。 一時間目の終業のチャイムが鳴ったから。