恋花火 ~恋は甘く切ない~


ナンパじゃなかったら何であたしに話しかけんのさ。

もう知らないよ。 なんでもいいよ。

「そう。じゃあバイバイ」

あたしは意外と冷静に対応できた。

さっきまでこの場所から動けなかったのにね。

あたしは八百屋に向かおうとした、けど。

「・・・・・・妃紗!」

突然、さっきの男に名前を呼ばれた。

あたしは振り向かないわけにもいかず、思わず振り返ってしまった。

「あ、こっち向いた」

「何で妃紗の名前・・・・・・」

そこまで言ってあたしは気が付いた。