恋花火 ~恋は甘く切ない~


「じゃあ行こーぜ」

丹後くんの言葉にあたしは静かに頷いた。

高校生になってから、初めての丹後くんと帰る帰り道。

普段は何気なく歩いていたけど、今日は違う。

特別なの。

そしてきっと最初で最後の帰り道・・・・・・。

「妃紗たちさ、話すの久し振りじゃん?」

そういえば、あたし達ケンカしてたのに。

今まで一言もしゃべっていなかったのに。

こうして自然と話せてる。

それがすごく幸せに感じる。