恋花火 ~恋は甘く切ない~


「今日さ、一緒に帰ろーぜ」

・・・・・・え?

帰る? あたしと丹後くんが?

都ちゃんは? いいの?

・・・・・・もしかしたら都ちゃんはわざとこの状況を作ったのかな。

あたしと丹後くんを仲直りさせるために。

だったら、一緒に帰りたい。

ううん、もし違ってもあたしは丹後くんといたい。

なんて勝手な事考えちゃ、いけないのに。

溢れだす想いは止まることを知らない。


「妃紗なんかで良ければ」

あたしが静かな声でそう言うと、丹後くんは少し嬉しそうにした。