「歩武く、ん・・・・・・?」
見なくても、わかる・・・・・・。
この声は・・・・・・。
丹後くんのことを"歩武くんって呼ぶのは・・・・・・。
そう思ったらあたしは我に返った。
丹後くんの背中に回した腕をほどき、急いで丹後くんから離れた。
「歩武くんが妃紗を探しに行ったきり戻ってこないからゆうくんに聞いて来てみたんだけど・・・・・・。ねえ、妃紗・・・・・・泣いてるよ? どうしたの?」
あたしは都ちゃんに言われて気が付いた。
あたし、泣いてる・・・・・・?
何で・・・・・・・涙なんか出てくるようなことなかったじゃん。
ううん、あたしは聞いちゃったから。
丹後くんがあの切なそうな声で「都・・・・・・」って呼んだのを。
だから、あたしは違うと思った。
あたしはただの気まぐれ。
遊びでしかなかった。

