部屋に閉じこもり、鍵をかけた。



携帯の電源を落とし、シャットアウトする。



あたし、なんでこんなに苛立ってるんだろう。

冷静になりたくて、無音の世界に入り込む。



如月さんを取られたくない。


それだけ?


あんな美人が相手じゃ勝てっこない。


だから?


もっと早く本能に従ってたらこんな不安にはならなかった。


自業自得じゃない?


失うのが怖くて前に進めなかった。


自分が可愛いだけのワガママよね。




いつまでも抱かせてくれないワガママな彼女より、心ゆくまで体を愛させてくれる女の方がいいよね…。




で?



どうするの、あたし。



このまま引き下がる?


そんなの嫌。



如月さんを誰にも渡したくない。



あたしの…彼なんだから。



この指輪は偽物じゃない。


彼からの本気。



じゃああたしは?


こうして逃げて、どうなるの?


ちゃんと話を聞いた?




決意して部屋に明かりを灯す。


鍵を開け、携帯の電源をONにする。




着信24件、メール20件。




僅かな時間で彼からの思いが溢れる。




よし。



ちゃんと聞こう。



そう決めてメールを打とうとした、その時だった。