「どうって…」



琉斗は少し驚いた顔をした



少し考えて琉斗は答えた



「馬鹿」







不意打ち過ぎる、まさかの馬鹿



「そういうことじゃない!!」



「御子は、姉さんは僕をどう思う?」



私の言葉には触れず、琉斗は何故か寂しそうに口角を上げて問い返してきた



「…っ」



また、言葉に出来ない



心のなかでは何回でも言えるのに、口に出せない



今が、チャンスだ



『頑張れ』



「私は、」



琉斗はいつもの無表情の中、微笑んでいるように見えた



「琉斗が、好きだよ」



時が止まったようだった



心臓の音しか聞こえないくらい、静かだった



「僕も好きだよ」



でも、と付け足した琉斗の顔は寂しそうだった



「僕らは家族だ、異性同士の特別になるのは難しい」