「どうって…」
琉斗は少し驚いた顔をした
少し考えて琉斗は答えた
「馬鹿」
…
不意打ち過ぎる、まさかの馬鹿
「そういうことじゃない!!」
「御子は、姉さんは僕をどう思う?」
私の言葉には触れず、琉斗は何故か寂しそうに口角を上げて問い返してきた
「…っ」
また、言葉に出来ない
心のなかでは何回でも言えるのに、口に出せない
今が、チャンスだ
『頑張れ』
「私は、」
琉斗はいつもの無表情の中、微笑んでいるように見えた
「琉斗が、好きだよ」
時が止まったようだった
心臓の音しか聞こえないくらい、静かだった
「僕も好きだよ」
でも、と付け足した琉斗の顔は寂しそうだった
「僕らは家族だ、異性同士の特別になるのは難しい」

