再生ゲーム・山田拓也のエンディング

「ああ……分ってる。分っているけど――真実に向き合うのが怖いんだ」


その時だった。ずっと耳に当てていた携帯から綾の悲鳴が聞こえた。


――きゃあああああ!!!! もう止めて!!!!


幼い綾が、俺のせいで立ち向かっているのに俺は……俺は――。


携帯をパチンと閉じた。


もう、これは必要ない。


「綾を助けなければ! 行くぞ、りりか……お前を見れば、りんも職場同様の落ち着きを取り戻すかも知れない」


「ええ、この体に賭けても綾ちゃんを助けるわ――りんには負けない」


言葉の深い意味なんて、考えられる余裕なんてなかった。この時はただただ、ドアノブを回し、中に入ることしか描いていなかったんだ。