先輩とわたしがはじめて会ったのは兄にくっついて行った

柔道部への体験入学

はじめは行くのが嫌だった

けど、なんとなく行ってみたくなったから行った

兄「女子更衣室はそっち!」
『わ、わかってるよー』
兄「遥(はるか)とかいると思うから!お前、小学生のときから柔道やってんだし、知ってる奴のほうが多いだろ!得に女子は」

そうなんです。

わたしは小学生のときから柔道をやっていたんです。

だから皆に投げられるだとか言われてきたんです。

でも、わたしは嫌じゃなかった。

なにか得意なものができたと思ったから・・・

「あっ!瑞紀(みずき)じゃん!」
「瑞紀ー!今日はお前を投げるから!」

武道場に入ってすぐ男子がよってきた

はっきり言ってはじめて会う人は苦手だ・・・

そう思いながら女子更衣室に向かった

なかに入ると・・・

「あっ!柚乃夏ぁー!きたんだー!」

と、元気よく迎えくれたのは今の二年、小林遥(こばやしはるか)さんだ。

「今日きたってことは柔道部にはいってくれるの?」

と、笑顔で聞いてきたのは今受験真っ盛りの三年、南雲和希(なぐもかずき)さん。

「まあ、他の部はあんま興味ないし柔道やってたんで柔道部に入ろうと思ってます」

「これで、一年は一人確保だねー(笑)

と、言ったのはこれまた受験真っ盛りの三年、島田仁実(しまだひとみ)さん。

「おはようございます。」

ちょっと遅れてきたのが二年の笹河美優(ささがわみゆう)さん。

この人たちは小学生のときからの知り合いだからまあ、大丈夫だ。

でも・・・

知らない先輩が三人・・・

山岸拓郎(やまぎしたくろう)さん

安川輝(やすかわひかる)さん

そして・・・

今井凱斗(いまいかいと)さん

わたしは凱斗さんを見たとき一瞬時間が止まった気がした・・・