夜はログハウスの2階のバルコニーに望遠鏡を置いて諏訪湖の花火大会を遠目に鑑賞した。




遠くの花火なのに…綿で包んだような音が僅かに私たちの居る場所まで木霊した。





「実はウチも花火大会の協賛企業として参加している…」



敦司さんは缶ビール片手にさりげなく自慢する。



「…じゃあ~大会本部に言えば…もっと近くで…」



「…花火を観覧するのはいいが…帰りの渋滞が…ちゃんと見えるし…いいだろ?」



「…いいですけど…」



私は望遠鏡をのぞいて打ちあがる花火を眺める。




花火の玉数も多くて…私の目を飽きさせず魅了していく。




夜空に途方ない虹色の大きな傘が開いては消え…光の残像が星屑のようになって諏訪湖の湖面に落ちていった。



1時間半の花火の祭宴は終わった…