王子様相手なら見合いも悪くない…
着物の窮屈さも緊張感も何のその…私は目の前に座る王子様を恥じらいながら見つめる。
「…後は二人で…」
私の付き添いで来たお爺様の妹・薫叔母様と王子様の隣に座っていた若い男性が部屋を出て行った。
「お前が私の見合い相手か…」
伊集院さんはゆるりと湯呑に手を伸ばして落ち着いた物腰で話しかけて来た。
その声音は低く冷たいバリトンの声。
12年前に訊いた声だけど、6歳の私には声まで再生できなかった…
着物の窮屈さも緊張感も何のその…私は目の前に座る王子様を恥じらいながら見つめる。
「…後は二人で…」
私の付き添いで来たお爺様の妹・薫叔母様と王子様の隣に座っていた若い男性が部屋を出て行った。
「お前が私の見合い相手か…」
伊集院さんはゆるりと湯呑に手を伸ばして落ち着いた物腰で話しかけて来た。
その声音は低く冷たいバリトンの声。
12年前に訊いた声だけど、6歳の私には声まで再生できなかった…



