「…分かりました。私も行きます、海の家に」



ため息混じりに言うと尾口先輩がパァッと表情を明るくして顔を上げた。



「え、ほんとに!?やったー!ありがと篠山!綾女ちゃん、篠山って行くってー!」



店中に聞こえるように尾口先輩は叫んだ。



一緒にいるこっちが恥ずかしい。



尾口先輩の言葉を聞いた綾女が駆けつけてきた。



「ほんと!?李行くの!?じゃあ私も行くー!!」



そう言って私にギュッと抱きつく綾女。



バイト中でしょ、綾女。
仕事してよ、全く。



私は呆れてため息をつく。



こうして私の波乱の夏が始まった…