私は引っ張られるままチャラ男先輩についていく。


振り返って綾女を見た。
綾女はどこか寂しそうに私達を見ている。



ごめん、綾女。
この手を振りほどけたらすぐさま綾女のとこに行くのに…



先輩の力が強くてどれだけ離そうとしても離せない。



綾女の少し後ろにいる北村さんを見た。



ただ呆然と立ち尽くしてこっちを見てる。
きっと先輩は自分のところにやってくると思ってたんだ。



そうだよ、それが普通だと思う。
私だってそう思ってたから。




この先輩は今いち分からない。
何が目的で私に近づいたのか、何のために私を助けようとしたのか。



それが分かればこんなにチャラ男先輩に苦戦したりなんかしないのに。