やられた。
夕里に逆サプライズをやられた。



私が先に驚かそうと思ってたのに。



やっぱ夕里はチャラい。



「…これは皆で計画してたの?」



夕里から離れて、夕里を見上げる。



テレビ電話で見るよりも、実際に見た方が遥かに大人っぽく見える。



「…うん。李が英語の追試を頑張ってるあたりからかな?
とにかく李にサプライズをしたくて、皆に考えてもらった」



驚いたでしょ?



夕里はイタズラが成功した子供のように、イヒッと笑った。



英語の追試の時から?
そんな前から綿密に計画されていたとは……



「あ、夕里!私、大学に合格したんだよ!」



テレビ電話やメールでも夕里に報告したけど、改めて口から言いたかったから。



夕里は優しく微笑んで、私の乱れた前髪を手櫛で梳いてくれた。



「…李、死ぬほど勉強してたもんね。
合格出来て良かったよ、おめでとう」



私の腰に手を回して夕里に引き寄せられ、また夕里に抱き締められた。