「…間違ってないよ?李が今、一番傷ついてるから」



…っ!?



やめてよ、そんな言い方しないで。



私が傷ついてる?
そんな筈ない。



私は約束を守るために助けたんだから、傷ついてる訳ない。



でもなんでだろう。
傷ついてる訳じゃないのに…



優しくされたら涙が止まらないよ。



静かに私の目から流れてきた熱いものを誰にも見られたくなくて、チャラ男先輩のブレザーに顔を隠す。



先輩が私の後頭部に手を回して、先輩の胸に引き寄せられた。



勝手に触らないでください、いつもの私ならそういうはずなのに何故か先輩の温もりが今はとても心地よかった。